今回はカチオン性有機凝集剤の効果を荷電中和効果とブリッジング効果を簡単に説明します。
① 荷電中和効果 (Charge Neutralization)
汚泥粒子は通常、表面がマイナスに荷電しているため、互いに反発し合って分散しています。プラスの電荷を持つカチオン系凝集剤を投入すると、その鎖が汚泥粒子の周りのマイナス電荷を中和し、反発力をなくすことで、粒子同士が接近しやすくなります。その効果は、PACやポリ鉄などの無機系の凝結剤も、プラスに帯電しているため、有機汚泥の粒子の荷電の中和効果を有しています。この荷電の中和効果が、汚泥粒子の自由水を放出させることで、汚泥の脱水を促進してくれます。

② ブリッジング効果 (Bridging)
高分子凝集剤は、複数の汚泥粒子を物理的に結びつける橋渡しの役割を持ちます。多数のポリマー鎖が複数の汚泥粒子に絡みつくことで、小さな粒子同士が連鎖的につながり、非常に大きくて強固なフロックを形成します。これは無機凝結剤との大きな違いです。PACやAlumなどはプラスに帯電しており、汚泥表面のマイナスの電荷を中和する力はありますが、粒子同士をつなぐ力は弱いです。特にPAMはアミド基(-CONH2)と高分子量によって、汚泥粒子間のブリッジング効果が非常に高いのが特徴です。

上この図は、ブリッジ効果をAIで描いてみたものですが、少し誇張しすぎた表現になってしまいました。
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